貧乏姫と金持ち王子





「ご飯、食べた?」



悠翔さんが私を離す。



「ううん」


「お腹空いたろ?何か食いに行くか?」


「うん」



私が返事をすると、悠翔さんが手を握ってきた。


悠翔さんの顔を見上げると、ニコッと笑う悠翔さん。



「ホントは電車で来るつもりだったんだけど、早く雪に会いたかったから車で来たんだ」



歩きながら悠翔さんが言う。


"早く会いたかったから"


それが凄く嬉しくて、悠翔さんの顔を見上げて微笑んだ。