「でもね、実際はもっと痛いですよ~。"あんなもの"が"あんなとこ"に入ってくるんだもん」
ちょ!ちょっと!
"あんなもの"が"あんなとこ"って何よ!
その曖昧な言い方って……。
でも、指の間を押さえた時より痛いって……。
どんだけ痛いんだろ……。
「佐藤さん?」
「えっ?」
我に返り、凜ちゃんを見る。
「次のデートの時に、彼氏に言ってみたらどうですか?"抱いて?"って」
凜ちゃんがクスッと笑う。
そんなこと……言えないよ……。
でも、もし言ったら悠翔さんはどんな反応するんだろ……。
軽い女って思われるかな?
時計を見ると、休憩時間が終わりに近付いていた。