貧乏姫と金持ち王子





「今週の土曜日、暇かなぁと思って……」


『えっ?何?何?雪からデートの誘い?超嬉しいんだけど』



悠翔さんの少し興奮気味の声が聞こえる。


喜んでくれて、私も嬉しいよ。



「土曜日に花火大会あるの知ってる?」


『うん、知ってるよ』


「もし良かったら一緒にどうかな?と思って……」


『行く!』



悠翔さん、即答。



「良かった。何時に何処で待ち合わせする?」


『○○駅前の広場に噴水あるの知ってる?』


「うん」


『そこに18時は?』


「うん!了解!」


『じゃー、土曜日の18時に駅前の広場の噴水の前でね』


「うん。悠翔さん……おやすみなさい」


『おやすみ』


"キャー!"


デートの約束しちゃった。


それも花火を悠翔さんと一緒に見れるなんて夢みたい。


悠翔さんみたいにカッコイイ人が彼氏ってことも夢みたい。


私は、携帯を握り締めたまま布団に顔を埋めた。