貧乏姫と金持ち王子





「これね、ケーキとレストランの料理。悠翔さんからのお土産」


「まぁ!ケーキと料理まで!?何か藤原さんに気を遣わせてしまったね……」


「うん……。でも悠翔さんがね、ここのレストランの料理もケーキも美味しいからって……」


「そうなの……。今日は海も桜も寝ちゃったから、明日、皆で頂きましょう」


「そうだね」



私は、紙袋から中身を出すと、キッチンに行き冷蔵庫に入れた。



「雪!」



部屋からお母さんが私を呼んだ。



「何?」



私は、部屋に入ると、お母さんの向いに座った。



「今週の土曜日の花火大会だけど、藤原さんと行って来たら?」



お母さんが微笑む。



「あっ……」



花火大会、忘れてた……。



「もしかして忘れてたの?」


「……うん」


「藤原さんと行っておいで」


「いいの?」


「うん。お祭りは家族と行くより彼氏と行った方が楽しいのよ。でも、雪も彼氏と行くような年になったのね」



お母さんがクスッと笑う。



「ありがとう」



お母さんの優しさが凄く嬉しかった。


後で悠翔さんにメールしてみよ。