貧乏姫と金持ち王子




初めて来た夜の海。


昼間とは全く違う雰囲気。


黒い海が月に照らされて、キラキラ金色に輝いている。


悠翔さんは海が見えるところに車を止めた。


そして、後部座席に上半身を持って行き、



「これ……」



と、私に小さな紙袋を差し出した。



「何ですか?」


「雪にプレゼント」



悠翔さんが微笑む。



「もらえないです……」



私は頭をブンブン左右に振って俯いた。