ケーキと料理の入った紙袋を悠翔さんが持ってくれた。
車の後部座席に紙袋を置いて、助手席のドアを開けてくれた。
私は、助手席に乗った。
悠翔さんも運転席に乗って、エンジンをかけてゆっくり車を出した。
「今日は、ご馳走さまでした」
私は頭をペコッと下げた。
「いいえ、どういたしまして」
「でも……彼女さんに、私と食事したのがバレたら怒られますね」
悠翔さんには彼女はいると思う。
だって、カッコイイんだもん。
女性がほっとかないよね。
それに悠翔さんは大人の男性だもん。
だから私みたいな子供を本気で相手するわけないよね。
もう2度と会うことはないんだろうなぁ……。