貧乏姫と金持ち王子





「これなら大丈夫?」


「あ、はい。うちって、殆ど外食しない家なんで……。ナイフとフォークってファミレスでしか使ったことなくて、こんなに沢山のナイフとフォーク見たの初めてだから……。頭が混乱しちゃって。ゴメンなさい……」


「何で謝るの?別に謝ることじゃないと思うけど?俺もナイフとフォークなんてファミレスでしか使ったことがなかったよ。取引先の人と初めて、こういうレストランで食事した時には困ったよ」



悠翔さんが水を一口飲むと、クスッと笑った。



「悠翔さんが?」


「うん。誰だって初めてのことはわかんないんだしさ。そんなに気にすることないよ」


悠翔さんがニッコリ微笑む。