「食べないの?」 「あの……私……」 お水を注いでいたウェイターさんに悠翔さんが、 「お箸を」 と、小さく呟いた。 「かしこまりました」 ウェイターさんが、会釈をして個室を出て行く。 しばらくして戻って来たウェイターさんが、 「どうぞ」 と、笑顔で私にお箸を渡してくれた。 「あ、ありがとうございます」 ウェイターさんが、また会釈をして個室を出て行った。