「雪?どした?」 悠翔さんの声で、テーブルをジーと見つめていた私は顔を上げた。 「あ、な、何でもないです」 私は作り笑顔で言った。 さっきと違う男性が料理を運んでくる。 「こちらは前菜の……」 説明なんか頭に入ってこない。 これって、どうやって食べればいいの? どのナイフとフォークを使えばいいの? 私は、またテーブルの上のナイフとフォークを見ていた。