貧乏姫と金持ち王子




私が車から降りると、悠翔さんは手を繋いだままレストランに向かった。


中庭を通っていくレストランは、まるで隠れ家的な雰囲気。


木で出来た扉を開けると、レストランの中央にはグランドピアノが置いてある。
レストラン全体は照明が落としてあってオレンジ色の間接照明が光っていた。



「いらっしゃいませ。あっ!藤原様。いつもありがとうございます」



ニコニコしながらスーツ姿の男性が言った。



ふっ!藤原様って……凄い……。


さすが!社長!


しかも「いつも」ってことは……頻繁に来てるってこと?