貧乏姫と金持ち王子





「雪のお母さんって、いい人だね」



彼が微笑む。



「はぁ……」


「娘を宜しくお願いしますって、お願いされちゃったよ」


「そうですか……」


「まぁ、こんなとこで立ち話もなんだから乗って?」



彼が助手席のドアを開けてくれた。


助手席に乗って、シートベルトをする。


彼が運転席に乗って、エンジンをかけると、車をゆっくり出した。