貧乏姫と金持ち王子





「じゃーさぁ……。昨日のお礼に晩ご飯付き合ってよ」


「はい……って……えぇ!」



私は彼の顔を見た。


彼はクスクス笑ってる。



「キミって可愛いね」



か、可愛いだなんて……。


もしかして……私、からかわれてる?



「顔が赤くなった」



彼が私のホッペをツンツンつついてきた。


私の心臓は痛いくらいドキドキしていた。



「バイト、何時に終わる?」


「17時には……」


「じゃー17時に迎えに来るから。ここで待ってて。あっ!キミ、名前は?」


「佐藤雪」


「雪って呼んでいい?」


「はぁ……いいですけど……」


「ありがとう。じゃー17時にね」



彼はそう言うと、車に乗り込みエンジンをかけて駐車場を後にした。