「注文、いい?」


「あっ!はい!お持ち帰りですか?それともこちらでお召し上がりですか?」


「持ち帰りで……。ホットコーヒーひとつ。それからスマイルね」



へっ?



「スマイルって?」



私は彼の顔を見る。



「ここに書いてあるじゃん。スマイル0円って」



彼がメニュー表を指差して言った。



「あっ……。ホントだ」


「ここでバイトしてんのに知らなかったの?」


「……はい」



私は俯いて返事をした。