貧乏姫と金持ち王子



「雪…」



寝室に悠翔さんが入ってくる。


そして後ろからギュッと私の体を抱きしめてきた。



「ズルいよ…」


「えっ?」


「こんな…私を…ドキドキさせるようなことして…。逆に…サプライズ…され…ちゃって…どうすんの…私…」


「イヤだった?」



私は首を左右に振った。



「イヤなわけ…ないじゃん…。凄く…凄く…嬉しいよ…」



私の鼻水を啜る音が寝室に響く。


悠翔さんは、やっぱり私を泣かせるプロだ。


それも嬉し泣きさせるプロ。