貧乏姫と金持ち王子



「隼人…彩香…」



悠翔さんも目を見開いてる。



「悠翔…俺、彩香と付き合うことにしたんだ。俺、今まで誤解してた…。悪かったな」


「藤原くん…ありがとう」



彼も中井さんも笑ってる。


彼の目は前とは違う優しい目になってる。



「佐藤さん…」


「あっ…はい」


「今まで怖い思いをさせてゴメンね。これからは教師として宜しくね」



彼が手を差し出す。


えっ…。


私は悠翔さんを見ると、小さく頷きながら微笑んだ。


私も手を差し出す。


彼の手と私の手が絡み握手をした。



「じゃーまたな」


「またね」


「あぁ」



お互いすれ違って別れた。