貧乏姫と金持ち王子


彼はソファーに座り携帯をいじってる。


私は床に座り込んだまま動けなかった。


悠翔さんが助けてくれる。
そう信じて待つしかなかった…。


"パタン"と携帯の閉じる音が部屋に響く。


彼は携帯をテーブルに置いて、また私の前に座り込んだ。


突然、彼の顔が目の前にきて、唇を重ねてきた。



「イヤっ!」



私は彼を突き飛ばす。


手の甲で唇を拭った。


突然のことだったけど、悠翔さん以外の男性とキスしてしまった後悔が込み上げてくる。


何度も何度も手の甲で唇を拭った。



「テメェ!」



彼が突然、私を押し倒す。


軟らかいラグの上に押し倒され、
彼が馬乗りになると、抵抗出来ないように私の手首を頭の上で掴んだ。