貧乏姫と金持ち王子



「携帯出して?」



彼が私に手を出す。



「い…や…」



震える声で拒否したけど…。



「出せよ!」



彼は突然怒鳴り声を上げて、私の鞄から勝手に携帯を出した。


抵抗したけど…男性の力には叶わない…。


彼が悠翔さんに電話をする。



「今すぐ俺のアパートに来いよ。お前にいいものを見せてやるよ」



彼が笑いながら電話をする。



「えっ?どうして俺が佐藤さんの携帯を使ってるかって?そんなこともわかんねぇの?今、俺の部屋に彼女がいるからだろ?」



悠翔さんの怒鳴り声が聞えてくる。



「4年前に、お前が俺にしたようにしてやるよ」



彼はそう言って電話を切った。


携帯を私の鞄に戻す。



「あいつ、すぐ来るって」



彼はそう言うとニヤッと笑った。