貧乏姫と金持ち王子



「デート中にゴメンね。お邪魔虫は退散しますか!」



中井さんは笑いながら言った。



「あっ!名刺、雪ちゃんにあげる。藤原くんにもついでにあげる」


「俺はついでかよ…」



中井さんは鞄から名刺を2枚取り出して、テーブルに置いた。


悠翔さんも名刺を取り出し中井さんに渡す。



「藤原くんって社長さんなんだぁ」


「まぁな」


「車を買う時には頼んじゃお」


「ぜひ!」



お互い笑い合う。


中井さんは名刺を鞄にしまった。



「雪ちゃん、藤原くんのことで相談したいことがあったら、いつでも連絡してね」


「彩香!」



悠翔さんが苦笑いする。



「じゃーね!藤原くん雪ちゃん」


「またな」


私は会釈をする。


中井さんは手をヒラヒラさせながら奥の席に行った。