貧乏姫と金持ち王子



「飯でも食いに行く?」


「材料買って来たから…何か作るね」



私は顔を上げて、悠翔さんに微笑んだ。



「雪の手料理もいいけど、それは明日のお楽しみに取っておいて、今日は何か食べに行って、帰りにDVDでもレンタルしよ?」


「またホラー借りちゃうの?」


「今日は雪の見たいやつ借りたらいいよ。何ならホラーでもいいけど?」



悠翔さんがクスッと笑う。



「行こう?」



悠翔さんはそう言うと、指で涙を拭ってくれた。


そして私たちはアパートを後にした。