貧乏姫と金持ち王子



「あの人が…」


「あの人って…颯斗のことか?」



私は無言で頷いた。



「それで?あいつは何て言ったんだ?」



悠翔さんの声が大きくなる。



「4年前のこと…知りたくない?って…」


「それで…あいつは…」


「怖くて聞けなかった…」


「雪…ゴメンな…」



悠翔さんが私の頭を撫でる。


恐怖心と安心感が混ざり合い涙が止まらなかった。



「4年前のこと…あいつと俺の間で何があったのか、雪にちゃんと話すから…俺が話をするまで待ってくれないか?」



私は無言で頷いた。


4年前に何があったのか…。
聞かないでおこう。


悠翔さんが話してくれることになっても断わると思う。


だって…聞かなきゃ良かったって後悔するよりも最初から聞かない方がいいから。