貧乏姫と金持ち王子


"ガチャ"


玄関が開く音がした。


体が"ビクッ"と反応する。



「雪?」



玄関から悠翔さんの声が聞こえる。



「雪?来てんだろ?」



悠翔さんがリビングに入って来る。


膝を抱えたままの格好で悠翔さんを見る。



「雪?どした?」



悠翔さんが私の傍に来て頭を撫でてくれた。


私の目に涙が溜まり、その涙が頬を伝って流れ落ちる。



「雪?何で泣いてんだ?」



私はただ泣きじゃくるだけ。



「何があったか俺に話して?」



悠翔さんが隣に座り、私をギュッと抱き寄せた。