貧乏姫と金持ち王子


恐る恐る振り返ると…。


そこに立っていたのは、綾瀬颯斗だった。


どうして…。


目を見開いたまま声が出ない。
体が震えて止まらない。



「どこ行ってんの?もしかして悠翔んち?」


「あ…あなたには…関係ない…」



震える声で彼に言った。


彼はフフと鼻で笑う。


私は彼に背を向けて歩こうとした時─。



「4年前のこと知りたくない?」



彼の言葉に足が止まる。


4年前のこと…。
前に学校で彼が何か言おうとした時。
悠翔さんは彼に対して怒鳴った。
様子もおかしかった。


4年前に悠翔さんと彼の間で何があったんだろ…。


気になる…。
聞きたいけど、聞くのが怖い…。