私とお母さんは少し後ろを歩く。


お店の中に入ると、個室に案内された。



「好きなものを食べて下さい」



悠翔さんがメニューを開いてテーブルに置く。


ゲッ!


値段を見て驚く。
だって1食分で我が家の1週間の食費と同じくらいなんだもん。


1番安くて5000円って…。



「あの…藤原さん?その…」



お母さんが何か言いたそう。



「遠慮しないで下さい。こうして皆で食事が出来ることが嬉しいので。僕、1人暮らしだから、雪と付き合う前はいつも1人で寂しく食べてたんです。でも雪と付き合って、こうして皆で食事をすることが嬉しくてしょうがないんですよ」



悠翔さんがニッコリ微笑む。



「藤原さん…すいません」



お母さんが悠翔さんに頭を下げる。



「謝らないで下さい。さっきも言いましたが、皆で食事をするのが嬉しいんですから」