貧乏姫と金持ち王子




彼は一体どんな仕事をしてるんだろ?


年齢は20代前半?後半?


30代ってことは絶対になさそう。


着てるスーツも腕時計も高そう。


それにこの車。
ベ○ツって、お金持ちしか乗れないよねぇ?たぶん……。



「何考えてるの?」



彼に言われて我に返る私。



「へっ?い、いや……別に何も……」



私はアハハと笑いながら言った。



「ふーん。で、君の家はどこ?」


「えっ?家?」


「うん。だって教えてくれないとわかんないし。このままだったら自分の家に帰っちゃうよ?いい?」



彼が意地悪そうな笑顔を浮べる。


家の前まで送ってもらうのは……。


やめとこ。


たぶん家見たら幻滅しちゃうよ。



「○○公園って知ってます?」


「うん」


「そこでいいです」


「何で?まさか公園が家ってわけじゃないよねぇ?」


「ちっ!違います!とにかく○○公園でいいですから」


「はいはい」



彼のクスクス笑いながら車を○○公園に向けて走らせた。