貧乏姫と金持ち王子




彼が運転席に乗ってきた。


私の顔を見てクスッと笑う。



「珍しい?」


「あっ、はい!私、男性の車に乗るのって初めてなんで……」


「そっか」



彼がエンジンをかける。


後部座席からタオルを取ると、私に渡してくれた。



「髪だけでも拭いたら?」


「ありがとございます……」



私はフカフカのタオルを受け取ると髪を拭いた。