彼に手を引っ張られて着いたとこは駐車場だった。 そこに止まっていた車は─―。 これは鏡ですか?と聞きたくなるくらい磨かれててピカピカの黒のベ○ツ。 車に疎い私でもこの車の名前は知ってる。 「乗って?」 彼が助手席のドアを開けた。 「えっ?」 こんな綺麗な車に乗っていいの? 「いいから乗って?」 「……あっ…は、はい!」 助手席に乗る私。 男性の車に乗ったなんて生まれて初めて。 私は開いた口が塞がらないって言うか……。 アホ面で車の中を見渡した。