貧乏姫と金持ち王子


ある日、私が桜の保育園に迎えに行った時─。



「親戚だっていう男性の方が連れて帰りましたよ」



担任の先生がニッコリ笑う。


「えっ…」



親戚って…。
父親の方の親戚とは付き合いないし…。
お母さんの親戚は遠くに住んでる人ばかりで…。



「どんな人でしたか?」


「若い方でしたよ」



若い男?
まさか…。


私の顔から血の気が引くのがわかった。



「どうして!その男に桜を渡したんですか!」



私の声に周りの人が見る。