貧乏姫と金持ち王子


あの人から逃れるために、家を引っ越しした。


私と海の学校のことを考えて学区内にあるアパートに。


私の学校に事情を説明して、通学と帰りをお母さんが付き添うことになった。


お母さんが仕事で遅くなる時には、
友達が付き添ってくれて、お母さんが帰るまで一緒にいてくれた。
友達のお母さんも協力してくれて、私はだんだん元気を取り戻した。


ただ…学校には言わなかった。
言えなかったと言う方が正しいかも…。


もし言ったとしても学校は取り合ってくれないかもしれない。
学校側が彼に事情を聞いても「知らない」と、しらを切るかもしれない。


それから彼は、大物代議士の息子でもあって…。
だから言っても揉み消されると思ったから言わなかった。