「初めまして!直井旭(ナオイ アサヒ)っていいます」



男性がニコッと微笑む。



「あっ…佐藤…雪です…」



私は頭をペコッと下げた。



「雪に手出したら、直井くん…クビだからね」



悠翔さんが満面の笑みで直井さんに言った。



「社長の彼女には怖くて手を出せれませんよ~」



直井さんが笑いながら言う。



「そうそう。俺、今日は休むから。後、頼むね」


「デートですか?いいっすねぇ~」


「そう。デート」



悠翔さんが、私の肩に手を回して抱き寄せた。



「社長…熱いから早く行って下さいよ~」


「じゃー、行こっか?」



悠翔さんが私を見下ろす。



「うん…」


「じゃーね。雪ちゃん」



直井さんが手を振る。



「失礼します…」



私は頭を下げて、直井さんの横を通り過ぎた。