貧乏姫と金持ち王子


悠翔さんの手が止まる。



「眠れないのか?」


「……寂しい…」



私は、悠翔さんの背中に顔を埋めたまま言った。



「雪?」


「ん?」


「そんな可愛いこと言われたら…俺、我慢できなくなっちゃうよ…」


「悠翔さん…」


「何?」


「悠翔さんは…その…我慢してるの?」



私は、顔を上げる。



「してるよ」


「私のこと…抱きたい?」


「うん。抱きたい」


「……いいよ…」



悠翔さんが、私の手を離すと、クルっと体を私の方に向けた。