貧乏姫と金持ち王子




8畳ほどの洋室。


真ん中にダブルベッドが置いてあって、右側の壁は一面クローゼット。
左側はベランダに続く窓。


ベッド以外には、テレビも何もない部屋。


私は、ベッドに寝転んだ。


暗い天井を見つめる。


その時─。


凜ちゃんが言った言葉が頭に浮かんだ…。



『彼氏に言ってみたらどうですか?抱いて?って』



指の間を押さえた痛みがよみがえる。


そんなこと言えないよ…。