「…だから…その…雪も…もし…」
悠翔さんの手に力が入る。
「私は…悠翔さん自身が好き。社会的地位やお金なんて関係ないよ。私は今までの元カノたちとは違うよ。逆に普通のアパートに住んでて良かったって思ったし」
「雪、ありがとう。雪みたいな子に出会ったのは初めてかも…」
悠翔さんが手を離すと、私の体を抱き寄せて強く抱きしめた。
整った容姿、優しい性格、お金を持ってる悠翔さん。
黙ってても女性が寄って来ると思う。
悠翔さんは、元カノたちに本当に愛してたんだと思う。
だけど…元カノたちの愛は偽りの愛。
完璧な悠翔さんにとって足らなかったもの…。
手に入れられなかったもの…。
それは本当の愛…。
今まで辛い恋愛をしてきたんだね…。