いつも笑わせてくれる貴族









**




15分くらいは経過した。


少し痛みが治まって、立ち上がったその時やった。







「ゆかりちゃん!?」


後ろを振り向くと、石田さんがいた。


「…………ど、ども」

緊張してまう。


「さっきの、気にせんといて」



「……え?」


「瀧口君の事」

「…………はい」


ほんまは気にするけど。



それよか、石田さんとの距離が微妙すぎる。


すると石田さんは私に近付いた。


「足どしたん?」



「え……………あ、……ちょっと…転けちゃって…」



「大丈夫?」


「はい」


私は俯いた。
なんか見つめられてる考えると、緊張してまうねん。




…スッ。




「!?」


石田さんの手が、私の頬に触れた。


私もう心拍数ヤバいて…。
顔、絶対赤い、熱い。

顔熱い。


「かなり冷えてへん?」



実は顔熱いんに。

恥ずかしい。こんなん。



思わず、その石田さんの手に私の手を重ねる。


きっと石田さんはビックリしたやろな。




すると石田さんのもう片っぽの手が私の頭に触れた。


それでくしゃくしゃに撫でる。


「辛い事あっても、来週までにはお前ん家行ったる。絶対笑顔にさせたるからな」


あー、死んでええかも。



むっちゃキュンキュンするし。



「よし、送ったる」

ニコッと笑う石田さん。