いつも笑わせてくれる貴族



まだまだ家は遠い。


そんな時、何かに躓いた。




「……っいた」

石に躓いたみたいで、派手に転けてもうた。


「……はぁ…」


そこで、膝の傷を見た。
その傷はすでに出血しおって、足の付け根まで血が垂れていた。


鞄から急いでハンカチを出す。


そのハンカチは、真っ赤になっていった。

少し隅の方に移動する。

人気はない。
蛍光灯の明かりで、照らされる。


ハンカチで拭いても、拭いても血が出てくる。





暫くハンカチで足拭いてから、鞄にある絆創膏一枚取り出す。


はんま派手に転んでもうたな。



絆創膏を貼っても、血が滲み出る。




また鞄から絆創膏を取り出す。


もう一枚取り出して、重ねて貼る。


これでもうええか。


痛みが治まるまで、ずっとここにいる。