いつも笑わせてくれる貴族



<帰る時間やんか。ヤや>

そう書いたら、瀧口からまたもすばやく返事が。

<今書き取るのに必死だから俺が無理。授業遅れてんのが悪いんだよ>


カチンときた。
もう返事返す気ないから、瀧口を睨んでやった。




**



帰る時間、だが、私には瀧口との授業が待っている。

皆は帰ってく。

「ゆかり、今日も居残りなん?」

真帆が聞いてきた。

「うん。だから帰っといてや」
そう言ったら、真帆は先に帰った。


そして瀧口は、私の先生になる。

あーめんどい。
こんなん答え言ってくれるだけでええやんか。