いつも笑わせてくれる貴族




「あ、ゆかりおはよ」

真帆がいた。
珍しく、恵美がいない。


「恵美知っとる?まだ来ぃひんねん」

真帆が心配する。


「知らん」

私は普通に通り過ぎて、席に座った。

まぁ確かに恵美が来ないのは可笑しいな。




「なぁ大谷!!」

…来よった、精神年齢5歳田村が。

「なんやねん」

私はツンとして頬杖ついて外の景色を見る。

「お前お笑い好きなんやろ!?」

またこいつもこんな事言っとるし。

視線をかえずに言う。

「好っきゃない」

「嘘やん!」

「嘘やない」

田村は私の視界に入ってきた。
なんや、邪魔や。



私はまた視線をかえた。


「……」

視線をかえれば、皆はこっちをじっと見てる。

横にいる希由やって。

なにが不思議やねん。


ふいっとまた逆を向く。


だけど田村はこっちを見てる。
しかも視界に入る。



なんやねん、珍しい動物ちゃうねん!


なんで見とんねん皆!



「な、なんやの…」

私は立ち上がった。

皆は、私を見んのやめて、友達と話始めた。


「おい」

後ろから声が聞こえた。

「…………?」


やっぱり後ろ振り向けば、瀧口がいる。


「何?」


「……やっぱなんでもない」


瀧口の眼鏡がキラッと光った。


反射して田村も見える。