いつも笑わせてくれる貴族



「でもさぁ?人を笑顔にすることっていいことじゃない?」

瀧口が私を見る。
わぁ、瀧に似とるわぁ。

「あんたはいつも私を怒らせてばっかやん」

私は、俯く。


「俺笑わせる気あるよ!」

私は、つまんなくて下を向いて、ただ下に転がっているタバコの吸い殻を見てる。


「……………」
沈黙になった。








「あ!ゆかりちゃんや」

笹倉さんが変装をして、こっちに来た。

「瀧っちゅー芸人見なかった?変装しとる奴」

た、瀧?
なんで私にそんな他人の事聞いてくるねん。

「いや、よう分かりません…」

「あれー?じゃあ今どこやろ?ありがとな、ゆかりちゃん。あ、あとさ…」

「?」


「今日ありがとな。むっちゃ緊張したわー!!」


ニコッと笑う笹倉さん。