いつも笑わせてくれる貴族




しばらくするとあっという間に、終点についた。


もうバスに人は乗っとらん。



それから降りて、目的地まで石田さんと笹倉さんと歩く。




「ゆかりちゃんお笑い好きなん?」

石田さんが言う。

ここであまり好っきゃない言うたら、あかんよな。

「この子あんまお笑い好っきゃないねん」


恵美が口を挟んで、石田さんに言う。


言っちゃあかんのに。



「えー!?そうなん!?じゃあなんで…」
石田さんが言いかけた時に、また恵美が口を挟んだ。

「うちがお笑い好きで、誘ったんですよ~」

「あ………そ、そうなんか…」

石田さんは少し呆れて、笑うことしかできなくなってた。


「だったらお笑い好きにさせたる」

笹倉さんが笑顔を向けて言う。


私はただ呆然として、笹倉さんを見る。





「あ、あそこちゃう?」

恵美が指を差す。



ホールが見えた。
そこには、人がもうかなりいる。

ざわざわして、うっさい。

街の中で、一番目立っとる場所。



「やっぱ遅刻してもうたな」


遅刻………まぁ確かにもうこんな人おるのにここに芸人がいるなんておかしいわ。







「あーっ!!クラウンズや!!」


ホールの前に立ってる女の子が、石田さんと笹倉さんを見つけて叫ぶ。



すると皆こっちを向いて、騒ぐ。


ぎゃあぎゃあきゃあきゃあ…うるさいねん。



「すいません、急いでるんで!!」


二人はそう言うと、ファンの子達の波を通り抜けて違う入り口へ向かった。



皆まださっきの二人で騒いどる。



ったくあり得へんわ。