石田さんの言葉にびっくりする。
可愛いなんて言われたら、ちょっとときめいてまうやろ。
ほんと馬鹿みたいやん!!
「……行こっ」
恵美にそう耳打ちされて、バスの席を移動する。
笹倉さん達は、一番後ろやった。
「今日楽しみですわぁ」
恵美は何故か石田さんの隣に座った。
仕方なく、私は笹倉さんの隣に。
「……どうも」
そう言って座ると、笹倉さんは笑顔になる。
本当に素敵な笑顔だ。
ちょっと今の自分がおかしく思える。
「顔つき変わってへん?……眉毛変わったんか」
見破られて、正直びっくりする。
一回、こくりと頷く事しかできなかった。
「ほんま可愛いなぁ」
口説いてるんちゃうよな?
こんなうちみたいな奴なんてな、そうや。
「はぁ………マスクはいややなぁ」
笹倉さんと石田さんは、変装しとった。
マスクにサングラス、帽子。
でも髪型でかすかに分かった。
いや、声で分かった。
「今日見にきてくれるとか………噛まなきゃええけど」
ははっと笑う笹倉さん。
「なぁゆかりちゃん」
石田さんが話掛けてきた。
「はい?」
「最前列やろ?」
「あぁ…はい」
確かに、チケットを見れば最前列と書いておった。
ラッキーや。
近くで見れるなんて相当ない。


