いつも笑わせてくれる貴族



「…っどこ行くんですかっ?」


「ちょっとな」

石田さんは、細い体で走る。

私の手を握りながら。


手が……じんじん痛くなる。


傷が痛い。


だけど優しく握ってくれとる。





「着いた」


着いた場所。
そこはとても無限に続く、綺麗な海やった。


夜だと、輝いて見えない。

だけど石田さんと見ると、ムードみたいの感じる。


「海って………一度見てみたかったんや」


「……?」



「ゆかりみたいな奴と…………って冗談やけどな(笑)」


ニコッと笑う顔。

……皆の言うとおり、かっこいい。


しかも性格も優しい。



いい人やわ。




好き…………って事なんかな…。




「あ…、俺ん事、爽って呼んで。なんか石田さんって気持ち悪いわぁ」




「え……でも私は石田さんのほうがいいですわ」

そう言ったら石田さんは笑うた。


「分かった、好きにし」

そう言ってまた私の頭をくしゃくしゃに撫でた。


一昨日の撫で方とは変わってない。


いつもくしゃくしゃにする。





心臓、のドキドキ感があり得へん。




…病?



なんの病気やろ……。


怖いわ…。