「……………た、瀧口やないか」
メガネを掛けてない瀧口がいた。
しかも漫才衣装……。
チェックのベレー帽、ネクタイ、スーツ、靴。
バレへんかいお前は………。
「そんな服ボロボロでどないしたん?」
しかも普通に関西弁や…。
私は瀧口と顔をわざと合わせない。
ズボンのチャックもボタンも締めて、上の服のボタンもとめて上着を着る。
そんで立ち上がって歩く。
早歩き。
涙をこらえる。
後ろからは瀧口がついて来る。
「なんかあったん?言えや」
「……………………」
黙って歩き続ける。
絶対知られたくないねん。
瀧口には。
「おい。どうせなんかあったんやろ」
無視。
すべて無視したる。
「大谷、聞いとる?」
曲がり角を曲がる。
ついてくんや。
ただの芸人……。
滑りまくり芸人!!


