「バカ春」 俯いて判子を押すあたしを唐突に呼んだ陽にビックリして顔をあげると、陽の手があたしの頭に触れた。 「幸せになれるんじゃね?」 あたしの髪を撫でた。 そしてあたしの前に手を差し出した。 あたしもそっと手を出して開くと陽はそっとあたしの手に手を重ねた。 陽の手がなくなって、自分の手をみると桜の花びらが残っていた。 「っ・・・」 優しく微笑む陽に頬が熱くなる。 あたしは花びらを教科書にはさんだ。 、