名簿に乗ってたうちのクラスの伊藤リ クだ。 カラコンなのか、長い前髪から密かに 見える青い瞳はより一層冷たさを増す。 「ご心配しなくても、平気ですよ。貴 方こそどうして教室にいなかったの?」 嫌味ったらしく見上げて言うと、伊藤 リクも嫌味ったらしく笑い返されて、 ズザサーっと後ずさった。 笑っているのに笑っていない。そんな 感じ。 「明日から宜しく。桜井センセ」 伊藤リクはそれだけ言うと、屋上から 出て行った。 何だったんだ、まじで。 .