だけど知ったかぶって「へぇ」なんて言
 っていると、マヤに頭をチョップされ
 た。



 「甘く見ない方がいいわよ。あの男は
  校長ともヤッてんだから」



 ヤッてる…?



 「セックスだよ」



 意味を分かっていなかった私に、小太
 郎が耳打ちしてきた。



 「セセセセ…」

 「では今日から一ヶ月間、皆さんと一
  緒に過ごしてもらう、先生方を紹介
  します」



 私の声は大きいマイク音にかき消され
 て、一呼吸してから小太郎を追いかけ
 る。



 舞台に並んで前を見ると、たくさんの
 制服たちが私たちを見ていた。



 ………オアシス。



 でもどれもこれも、皆頭を派手な色に
 染めていて。



 赤、黄、青、緑、…ピンク!?



 「この学校って、こんなに柄悪かった
  っけ?」



 恐る恐る隣にいる小太郎に耳打ちする
 けれど、小太郎は生徒達の迫力に固ま
 っていた。



 小太郎とはここへ一緒に通ってたから
 聞き出せると思ってたのに。



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