『あのね、ちょっとお願いがあるんだけどー…』 その電話の30分後、朝食を食べ終えたあたしはクローゼットの前で1人もんもんと悩んでいた。 どれにするべきかー… 『亮に、書類を持って行ってくれないかしら?』 それが、ひとみさんからの電話の内容だった。 “亮”という名が出てきた時点で、あたしが即座に返事をしたのはいうまでもない。 亮ちゃんは、 あたしの初恋の人。 いや、 今でも大好きな人ー…