「りんちゃ~ん!」 とある休日の朝、あたしはお母さんに早々と起こされた。 「…なに?」 布団の中からぼそぼそと尋ねた。 「ひとちゃんから電話!」 ひとちゃんというのは、あたしの幼なじみのお母さんで、あたしのお母さんの親友でもある。 あたしあてにひとみさんから電話なんて珍しいから、あたしは首をかしげながら受話器を受け取った。 『もしもしりんちゃん? 朝早くからごめんね。』 「大丈夫だよ。 どうしたの?」