それは、『振り向いてくれますように』という願掛けと、もう1つ… 陸上をしているためショートカットにしているしんと、はっきり区別をつけてほしかったからだった。 そして、あたしは誰よりもかわいくなれるように努力した。 亮ちゃんに似合う女の子になろうとした。 亮ちゃんが中学を卒業するとき、あたしは気持ちを亮ちゃんに打ち明けた。 『ごめん』の一言だった。 理由は言われなくても分かってたし、何よりその後も今まで通りに接してくれたから、それが亮ちゃんの優しさだと思った。