「理香子…」

茫然自失状態になっている理香子のそばに来た楓は、ゆっくりと話し出した。

「あの目は…おかしいよ。多分、中島はさっき見た怪人達に、操られているんだよ。絶対」

楓の言葉にも、しばらく反応しなかった理香子はやがて、静かに微笑んだ。

「ありがとう…楓」

「理香子…」

その微笑みが、楓には悲しかった。

「あたし…」

理香子は体を、楓に向け、

「あんな言葉じゃ…納得しないから!」

そして、両拳を握り締めると、

「あたし!もう一度…中島と話してみる!いえ、話したい」

「うん!」

理香子の決意に、楓は頷いた。

「探そう!中島を!」

「うん!」

2人は頷き合い、走り出した。

中島が消えた方へ。