「乙女シルバーまで、手に入れば…恐れるものはない」

プラチナは、シルバーのかけている眼鏡に手を伸ばした。

「シルバー!逃げろ!」

まだ動けない九鬼。


「乙女キック!」

突然、プラチナの死角から、乙女ブラックが現れ、蹴りを喰らわした。

「何!お、乙女ブラックだと!」

蹴りが首筋に決まっても、平然としているプラチナに、ブラックは冷や汗を流した。


「うるさい…蚊が」

ブラックを片手で払おうとした時、プラチナの顔面に、ビームが炸裂した。

「な!」

顔が爆発したが、プラチナにダメージを与えることはできなかった。

しかし、その攻撃は、プラチナの視界を一瞬奪った。



「まったく、うざいぜ」

乙女グリーンから戻った蒔絵が、ため息をついた。





「お、おのれ!」

プラチナの視界が戻った時、川底には誰もいなくなっていた。

「チッ!に、逃げたか!」

プラチナは舌打ちした。






「なんか、向こう…ずっと光ってるわね」

銀閣寺に、九鬼達と入れ違いに来ていた別のクラス一向は、坂の下の一角が、何度も輝くのを確認していた。

「なんか…映画の撮影でもしてるのかな?」

クラスメイトの言葉に、竜田桃子は首を思いっきり、横に振った。

「多分、違うと思う」

桃子は、その光に嫌な予感がした。平然と笑いかけたが、背中に悪寒が走った。

(絶対、行っては駄目)

桃子は、九鬼達に関わりたくなかった。