「 …うん
まだ彼女は成長期だから
これからまだまだ骨も、筋肉も育つし
無理せず運動すれば、ちゃんと
…君の治療のが先だね
手、出しなさい 」
「 ……… あ 」
いつの間にか、コップを握り潰していた
包帯を巻きながら、梅川さんは話を続ける
「 ……籍は
父親の元にあると思うんだけど
彼女ハーフだからね
ちょっと複雑なんだ
母親は地方のバーで
働いていた所までは追えたんだけれど
そこからぷっつりなのね
だから一旦、育児放棄として届け出て
施設に入った形に短期させて
引き取ろうかとも思っているよ 」
「 梅川さんが? 」
「 うん ウチには子供が居ないし
医師と言う肩書があるから
審査も通り易いし
竹田さんが最初に、
引き取る気満々だったんだけど
息子さんがどう言うかだよね
財産とかなんとか
嫌な問題もあるしさ 」
「 …俺が父親にはなれませんか 」
「 将来的には可能だけれど
私としては、青山くんとあずるちゃんが
結婚してくれたら、嬉しいな 」
「 結婚 」
「 普通こんな二十歳前の若い男の子に
突き付けた話、しないけど
養子にするって言ってる位だからね
彼女が16になれば、
すぐにでも可能なんだよ」


